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宮島沼のマガンのねぐら入り、ねぐら立ち

2025年10月12日北海道,国内月形樺戸博物館,トリプタン,マガン,ねぐら入り,ねぐら立ち,宮島沼,田んぼ,最北,月形温泉,いわみざわ公園

北海道のガイドブックにはまず載ってない、石狩平野の田園地帯にある「宮島沼」は、
春と秋はマガン中継地として賑わいを見せる「日本最北端のマガン寄留地」。
早朝にエサであるモミを求めて田んぼに一斉に飛び立つマガンの「ねぐら立ち」や、
夕方に田んぼから一直線やV字編隊で沼に戻る「ねぐら入り」の風景は、
一生に一度は見るべき絶景、たとえ鳥に興味なくても感動を覚える。

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安井の片頭痛を沈めた宮島沼のマガン達

いきなりだが、安井が初めて宮島沼のマガンを見たのは、まだコロナ収束前、
「全国旅行支援」が存在した2023年の春。旅行支援のおかげでホテルにタダ同然で
泊まれたので、まだ行ったことない場所ということでこの宮島沼を目指した。

日本最北端のマガン寄留地「宮島沼」。安井が鳥好きになったきっかけの場所とも言える。

しかし、よりによって出発日に片頭痛になってしまった。
安井の片頭痛は、大抵トリプタン(片頭痛治療薬)飲んでもすぐには効かず、
一晩寝ないと回復しない。おまけに一人旅で新千歳空港から一人で運転だったので、
運転前にはトリプタンすら飲めない状況(眠気が起きて危険なため)。

昼にホテルに着いてトリプタン飲むもなかなか収まらず、
その状態で夕方この宮島沼に行った。しかし、初めて見たマガンのねぐら入りの光景に、
頭が痛いのも忘れて日が落ちるまで見入った安井。見終わったときには
なんと片頭痛がすっかり消えてしまっていた!

「鳥に興味を持つきっかけになった鳥」をファーストバードと呼ぶらしいが、
安井の場合、それはまさにマガン。なにせ、普段一晩寝ないと直らない片頭痛を
見事に抑えてしまったのだから。

ちなみに当時はまだ安井は今のように鳥に興味もなく、カメラもなし。
周囲には高性能な望遠鏡やカメラを抱えるベテラン達が多い中、
一人、中華スマホでマガンを撮影しようとしていた。

余計な話が長くなったが、今回はそんな奇跡の沼「宮島沼」のご紹介。

新千歳空港から宮島沼への行き方

宮島沼は新千歳空港から70km位。公共交通機関で行くのは難しいので、
空港近くでレンタカーを借りるのはほぼ必須。
幸い新千歳空港の近くはレンタカー激戦地。1泊4千円程度でも借りれるので、
早めに予定を立ててお値打ちなレンタカーを抑えるのがよい。

宮島沼のマガン見物以外も視野に入れるなら、岩見沢に宿泊

宮島沼に最も近いそこそこの町は「岩見沢」。
岩見沢はビジネス客もいるため、ビジネスホテルも幾つかある。

岩見沢から宮島沼は車で約20分。下の地図のルートで行けばイオンを通れる。
宮島沼のマガン見物の帰りにイオンに寄ると、弁当や総菜に値引きシールが貼られ、
食料を安くあげることができる。

ところで、この峰延駅から延びる道道275号月形峰延線、これ凄い長い直線道路だが、
なんと昔囚人たちによって作られた道路らしい。その辺の話は月形樺戸博物館
詳しく学べる。なかなか面白い博物館なので、立ち寄るのをお勧めする。 

岩見沢にとまった場合、いわみざわ公園もお勧めだ。
北海道グリーンランドもあるし、時期によっては美しいバラ園も楽しめる。

宮島沼のマガン見物に徹したいなら、月形町に宿泊

一方、純粋にマガン見物に徹したいなら、宿泊地は「月形町」。
但しこちらの場合、宿泊場所は「月形温泉ゆりかご」一択だ。

このホテルから宮島沼は車でわずか5分なので、朝晩とも、なんなら日中にも
何度でも気軽に宮島沼に行くことができる。

このホテルは道の駅にあり、また皆楽公園という公園も併設されているので、
自然が好きな方にとっては凄く癒される場所だ。こちらは皆楽公園の池で撮影した映像。

カルガモご一行が皆楽公園(北海道月形町)を採餌しながら徘徊中。よちよち歩きが可愛いね。

といいことばかり書いたが、最後に2点ほど注意。
まずこの月形町には、先ほどの月形樺戸博物館以外には屋内で遊べる場所はほぼ皆無なため、
雨が降ると何もすることがない。またホテルは2024年リニューアルされ温泉と部屋は綺麗だが、
建物の基本部分は昔のままでやや合宿所的なテイスト。まあこれについては、鳥に興味ある方は
気にする方少ないとは思うが、一応ご忠告まで。

初めて行くなら、まずは夕方「マガンのねぐら入り」から

早朝の「マガンのねぐら立ち」、夕方の「マガンのねぐら入り」、どちらも素晴らしいが、
初めて宮島沼に行くならまずは前者から。これは宮島沼のサイトにも書かれているが、
宮島沼付近は田園地帯でガードレールや電灯がなく、いきなり真っ暗の時に行くのは少し危険。

ちなみに近い月形町から行く場合も、下の地図の通り最後の曲がり角に「宮島沼」
と書かれた看板があることはあるが、この付近には電灯がないため、真っ暗だと
この看板にも気づかず行き過ぎてしまうことがある。要注意だ。

日中のマガン

さて、ここからは実際の動画をご紹介。まずは日中のマガンの様子。
日中はこんな風に近くの田んぼでお食事や休憩しておられます。

日本最北かつ最大級のマガン寄留地「宮島沼」。日中近くの田んぼはマガンで大賑わいだ。

こちらは宮島沼の駐車場から撮影したマガンたち、水の中と違って姿がよくわかります。
嘴の付け根が白いのが成鳥らしいです。

宮島沼の駐車場から撮影した田んぼで採餌中のマガン達

そしてマガン達は、日中もしばしば宮島沼に行ったり、この田んぼに戻ってきたりします。

日中マガン達は沼と近くの田んぼを行き来している。

ときどき多くのマガン達が一斉に飛び立つときがあって、これはこんな風に
マガンのねぐら入り、ねぐら立ちと同様、圧巻の風景となります。

マガン観察は夕方のねぐら入りと早朝のねぐら立ちが有名だが、日中でも一斉飛び立ちを見れることがある。

マガンのねぐら入り

そしていよいよマガンのねぐら入り。下記は9月下旬の17:20に撮影した映像。

9月下旬、晴れた日中は田んぼと宮島沼を往復していたマガン達、17:20本格的なねぐら入りが始まった!

そしてピーク時はこんな感じ。マガン達が四方八方から宮島沼に飛び込んできて、
もう息つく暇もない圧巻の風景となります。

四方八方から宮島沼に飛び込んでくるマガン達。ねぐら入りラッシュの始まり。

もう一つ、別の日に撮影したマガンのねぐら入り。永遠と続くマガンの群れに、
「なんじゃこりゃー!」と叫んでる方もいました。

雨天時のマガンのねぐら入り

ちなみに日中雨が降ってるとマガン達は日中は始終田んぼにいて、
雨が止むなり一気に宮島沼に入ることがあります。次の映像はまさにそれですが、
このときまだ日没30分前だったので、いったん沼に入ったあとまた田んぼに戻るマガンもいました。

雨の一日、マガン達は夕方まで田んぼにいたらしく、雨が止むなり一斉ねぐら入り

マガンのねぐら立ちは一瞬の出来事

マガンのねぐら入りは日の入り前からじわじわ始まるので20分近く楽しめるけど、
対してねぐら立ちはほぼ5分程度で完了する。しかも日の出前の真っ暗なときに
飛び立つこともあるため、日の出の30分前にはスタンバイ必要と、少し難易度があがる。
4時には起床必要だろう。

安井は下記映像の撮影日、日の出10分前に現地に着いたが、既に多くは飛び立っており
「飛び立ちの瞬間」は見ることができなかった。やはり日の出30分前到着が無難のようだ。

「宮島沼」のマガンのねぐら立ち。マガンが去った後の宮島沼は静寂そのもの。東の空には美しい朝陽が昇る。

ちなみに雨の日は日の出ギリギリまで飛び立たないこともある。次の映像はまさにそれで、
この日は日の出30分前に着いたのによりによって雨が降り出し、日の出の直前までマガン達は
沼にとどまっていた。ちなみにマガンが飛び去った直後雨もぴたりと止んだので、
多分マガン達は間もなく止むことを知っていたのだろう。

流石のマガンも雨の中出たくはないのか、この日は日の出直後にねぐら立ち。

宮島沼のマガンのねぐら入り・ねぐら立ちは、一生に一度は見たい。

東海地区から遠路はるばる訪れた北海島の宮島沼だが、
一生に一度は見るべき景色、といっても過言ではない。是非皆さんも同じ感動を味わってほしい。

ここで紹介した以外の動画も、YouTube に多数掲載してるので、よろしければどうぞ!