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名古屋・豊明市の秘境「勅使池」は野鳥の宝庫;1

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名古屋市の墓地公園「みどりが丘公園」に隣接する、野鳥の宝庫「勅使池」。

昔は秘境だったけど、近年利用者が増え昔の秘境的雰囲気はどこえやら。
今となっては「秘境」は言い過ぎかもですが、まだ有名観光地ほどではない。
そんな勅使池のご紹介。

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勅使池とは

名古屋市と豊明市の市境にある、豊明市が管理する池。
天皇の勅使によって改修工事が行われたので「勅使池」と言うそうな。

メインエントランスは池の東側にある「勅使公園」で、
ここには駐車場やトイレも整備されています。
豊明市側に住んでいる人はここからアクセスするのが最適。

しかし2013年の整備で「みどりが丘公園」からも入れるようになり、
名古屋市民もアクセスしやすくなりました!
みどりが丘公園については前回の記事をご覧ください。

余談ですが、この2013年の整備までは散策者も本当に少なく、
見えるのは広大な自然と野鳥だけ、秘境的な雰囲気がありました。
当時はほとんど人のいないこの池で、のんびり池を眺めたり、
夕陽眺めながら楽器演奏したりするのが、日常の喧騒から逃げられる至福の時でした。

今ではここで楽器など演奏しようものなら
(よほど上手い人は別として)ただの迷惑人でしかありません。
特に週末などは、朝から探鳥家やランニングの方達で賑わっていて、
もはや秘境という言葉は不適になってしまいました。

整備後アクセスは楽になったけど、当時のあの雰囲気が少し懐かしいかも。

勅使池は野鳥の宝庫

タイトルにもあるとおり、この勅使池は野鳥の宝庫です。

実はかく言う安井も野鳥に関してはまだ全然素人。少し前までスズメとツバメ程度しか知らず、
池にいるのはみなカモと思ってた人間なんです。でもこの勅使池のおかげで、最近鳥の可愛さや
美しさに気づくようになってきて、気づいたらYouTubeも野鳥の動画ばかり(笑)。

というわけで、勅使池を紹介する前に、勅使池で見れる野鳥の一例をご紹介します。
安井は先ほども書いた通り野鳥は初心者、更にカメラだって初心者。
撮影機材はデジカメで、バードウォッチャーが持ってるようなバズーカみたいな望遠レンズなぞ
持ってません。が、そんな初心者でもここ勅使池ではこんな風に野鳥を撮れるんですよ。

まずは、野鳥に興味を持ちたての人が最初に憧れる「空飛ぶ宝石」の異名を持つ人気者カワセミ。
見れる頻度はそこまで高くないですが、運がいいとこんな風に4羽のカワセミが見れることも!

綺麗ですよね~。もっとも、カワセミ狙いなら瑞穂区の山崎川も結構お勧めですよ。

お次は、年中みかけるカイツブリさん。
安井は最初「カモの赤ちゃん」なんて思ってたんですが、実はこれカモとは全く違う種なんですね。

豊明市の市鳥に指定したい「カイツブリ」

このカイツブリは滋賀県の県鳥らしいけど、豊明市の市鳥に指定したいぐらい勅使池でよく見かけます。
鳴き方も独特なので、野鳥初心者の時代は最初「一体これ何の音?」ってびっくりします。
6月~7月は至る所で赤ちゃんが生まれるので、この時期散歩される方は
注意して池を見てみてください。次の動画のような可愛い光景が見れますよ!

カイツブリの雛と、雛達に給餌する親鳥。暑さに負けず勅使池を散歩した者だけが見れる幸せな光景。

そしてこのカイツブリより大きく、冠羽が付いている少し豪華な容姿のカンムリカイツブリさん。
これも、安井が鳥に興味を持ち始めて数カ月後に撮った動画です。

カンムリカイツブリの仲良しカップル。仲良しっていいですね。

これ以外に勅使池でよく見かけ、かつ初心者でもすぐ気づける鳥が、冬になるとよく見かけるオオバン。
なにせ真っ黒ですからね、全く保護色になりません(笑)。
ちなみに安井は少し前までこれもカモの一種だと思ってました。野鳥初心者なんてそんなもんです。

オオバン(安井は少し前までカモだと思ってた(笑))

ところで上の鳥は「オオバン」ですが、「オオ」がつかない「バン」も時々会います。
普通に考えるとこちらの方がよく見そうなものですが、何故かこちらはあまり見かけません。
参考までにこちら、普通の「バン」の動画も載せますね。

オオバンでない普通の「バン」。片足立ちで毛づくろいに没頭中。

でね、この普通の「バン」さん、ちょっとトリッキーなんです。というのは、
この鳥、幼鳥だと全く様相が違うんですよ。先般勅使池を散歩中に出会ったのですが、
「何かの幼鳥」だとはわかれど、それが何の幼鳥なのか分かるまで数日かかりました(^^;

ググったところ、やはり同様なことで悩まれた方がいるらしく一安心。
鳥って、雄と雌や親と子で全然様相が違う場合があって、安井のような初心者は
色々驚きの連続です。参考までにこの「バン」さんの幼鳥の動画も載せますね。

途中から登場する成鳥(?)見るまで、何の幼鳥か分かりませんでした!

本ブログはこんな感じで、この先勅使池の野鳥も紹介していきます。
いずれも鳥に興味もって間もない初心者がデジカメで撮った動画。
そう考えると、いかに勅使池が野鳥の宝庫なのかがわかるかと思います。

ではここからが本題です、池に突入しましょう。

みどりが丘公園から勅使池に突入

前述の通り、メインエントランスは池の東側にある「勅使公園」ですが、
今回は名古屋市民を優先して「みどりが丘公園」から入ることとします。

「みどりが丘公園」は地下鉄桜通線の終着駅「徳重駅」からバスで5分程度、
駐車場も十分あるので車でのアクセスも便利です。

入口付近の「みどりが丘公園会館」にはシャワートイレ付のトイレもあるので、
まず立ち寄りましょう。館内には利用者が撮影した野鳥の写真なども飾られています。

みどりが丘公園の"ため池"は要チェック

ところで「みどりが丘公園会館」の向かいの小さなため池は結構面白いですよ。
夏になると毎日オオヨシキリの賑やかな声が聞こえます。

「みどりが丘公園会館」向かいの小さなため池は「オオヨシキリ」の声が賑やか

オオヨシキリと並んで声が目立つ鳥「ケリ」もいます。
ちなみに下記動画のケリ、足を震わせてます。以前東山植物園のコサギも同じことやってて、
始めて見たとき「この鳥寒いのかしら?」なんて思っちゃいました。
実はこれ「パドリング」といって、足を震わせて隠れている獲物を出させる戦術らしいです。

ちょっと前まで鳥の行動なんて全く興味なかったんですが、知り始めると色々奥が深くて、
ウォーキングも一層楽しくなりますね。

ため池はサギ類もよく休んでいて、時にはお食事中の場面も見れます。

捕ったカエルを召し上がるアオサギ。少し可哀そうなカエルですが、これも食物連鎖ですね。

そして、たまにイタチなんかも現れたりします。勅使池って「何でもあり」ですな。

可愛い顔してるが結構狂暴なイタチ

そんなわけで、みどりが丘公園側から入る方はまずこのため池に目を向けると、
テンションを上げてお散歩を開始できるかもしれません。興味ある方限定ですが(笑)。

さて、「みどりが丘公園会館」から南東に少し歩くと、下の写真のように
池に降りる階段があり、ここから勅使池に入れます。
思えば、2013年ここが正式にオープンしたときは感慨深いものがありました、
「これでもう堂々とここを通れる」と。つまりそれ以前も安井は侵入したことあった(内緒!)。

今回の記事では、この階段を降りて「反時計回り」に池を紹介していきます。

勅使池に下りる階段。2013年ここが正式にオープンしたときは感慨深いものがあった。

勅使池には4つの橋がある

階段の奥に見える場所は橋で、「二号橋」という名前が付いています。

勅使池には全部で4つの橋があって、対岸「勅使水辺公園」に近い橋が一号橋、
そこから時計回りに順番で四号橋まであります。つまりこのみどりが丘公園に近い橋は
二番目の橋なのですが、ここは他の橋と比べてあまり橋っぽくないので、
橋だと意識してる人は少ないように感じます。

勅使池を「反時計回り」に散歩

階段を降りた二号橋の近くに、池を紹介する看板が立っています。

池の一周は2.6kmなので、普通に歩くと30分少々。ウオーキングに最適ですね。

と、看板を見ていたらザリガニさん登場!
って、このザリガニさん呑気に遊歩道を横断してますな!出だしからテンションあがります。

勅使池の遊歩道をザリガニが横断中。お先にどうぞ。

そしてこのザリガニは、勅使池に生息する鳥や小動物の恰好のお食事になっていたりします。
こちらは巨大なザリガニを食べるイタチの様子。夕方撮影したので少し暗めです。

イタチが巨大なザリガニを食べていた!可愛い顔でもやはり野生動物だ。

勅使池の風景は四季折々で異なる

この勅使池、四季折々で風景は異なります。
どの季節も楽しいですが、安井的に一番好きなのは冬と春。

冬になると池にはいつも凄い数のカモ達がいて、多い日はこんな風にカモ天国になってます。
こんな風景、普通の池では見れませんよね?

東海地区のカモが集結する「カモ博2024@勅使池」、本日開催!貴方はどのカモがお好き?

カモと言えば、時にはこんな面白い風景も見れたりします。「渦巻採食」という、渦を作り
餌を浮き上がらせて食べる方法で、水に潜れないハシビロガモがよく使う戦略らしいです。
安井はここ勅使池で初めて知りました。

渦を作り餌を浮き上がらせる、カモの渦巻採食

ついでにもう一つ、お昼寝のカモさん動画。カモばかりで恐縮です(笑)。

勅使池でカモ達がお昼寝中。おやすみなさい、よい夢を。

カモ以外に、年中よく見かけるのがカワウとサギ類。
この両者って仲良しで、互いに凄い近くにいっても全然ケンカしないのが不思議。

こちらはカワウがカエルを捕食する動画。普段は少し面白い顔してるカワウだけど、
食事のときは結構必死。みんな生きるのに必死です。

カエルを捕って食べるカワウ。カエルをたいらげた後、何食わぬ顔で枝を咥え巣作りに向かった。

ちなみにカワウとサギ類はこの後で紹介する「四号橋」付近の浮島にも沢山いますよ。

いきなり鳥の話題が続きましたが、安井は勅使池との関りは結構長いものの
昔はもっぱら散歩や現実逃避の場所で、実は鳥なんて全く興味なかったんです。
それが、話題の「シマエナガ」を契機に急に鳥に興味が出て、
以降勅使池の新たな楽しみ方が見つかった、そんな類の人間です。

自然が多いのは嬉しいですが、夏場は蜂に注意しましょう。

勅使池は観光地になった?

くどいようですが、2013年の整備まではほとんど誰もいなかった勅使池なんですが、
今ではこんな綺麗に整備されてしまい、まるで観光地っぽい感じすらします。

週末にもなるとウォーキングやジョギングする人達やバードウォッチャーで賑わいますが、
平日に行くと静寂感が味わえますよ。

池の対岸に見えるのは福祉施設。
随所に案内板があります。なお公式な「エントランス」は対岸の勅使公園側。
光の当たり方などで水の色も変わります。実物はもっと綺麗なんですよ。
随所に気の利いたベンチがあります。

ここまでの区間、秋冬は水鳥以外がメインな感じですが、春が近づくと
それまで茂みに潜っていたアオジたちがよく姿を現します。

冬の間あれだけ見つけにくかったアオジが一挙に四羽出現。本日はアオジ祭り。

このように、同じ勅使池でも時期によって様相が変わるので、来るたびに新たな発見があります。
安井は鳥に興味を持ってまだ半年、その間にこの記事を書いているので、まだ情報が偏ってる部分が
多いと思います。気づいたら随時修正、加筆して参りますので、宜しくご容赦ください<(_ _)>。

ちなみに鳥だけでなく、イタチなんてのも時々出現したりして。本当に自然豊かな場所なんですね。

アオサギが熱心に採餌中、1分辺りからイタチ登場!今日も勅使池は目が離せない。

アーチが美しい四号橋、付近の浮島はサギとカワウのコロニー

勅使池には幾つか橋があり、それぞれ一号橋、二号橋、という風に名前がついています。
その中で安井が一番気に入ってるのは下の写真の橋、四号橋。
アーチ状になっていてなんとも絵になります。夕陽と一緒に撮ると一層素敵ですよ!

アーチが美しい四号橋。勅使池の魅力を一層高めている橋だと思う。

そしてこの四号橋の付近に浮島があるのですが、ここはサギとカワウのコロニーが見れます。
特に冬になると数が増えて、ちょっと怖いぐらい。

カワウのコロニー。これだけいるとちょっと怖い?

でもよく眺めると、結構面白い発見もあったりします。こちらは関係が気になる三羽のカワウの映像。

この三羽のカワウ、動きが面白いがどういう関係なのか?

ちなみにカワウが池に集団で捕食している様子(下記映像)は、さながら長良川鵜飼ですな。

早朝、カワウが池で集団捕食。朝食後はまた四号橋付近の浮島に戻っていかれました。

カワウほどではないけど、サギも結構います。先日はこんな感じで、アオサギが魚を捕って食べる様子を
間近で目撃、思わず羨ましくなりました。近年の価格高騰でなかなか魚食べれないですからね(笑)。

魚を捕って食べるアオサギ。自給自足の鳥はいいね!

アオサギは体が大きいので、魚以外にも色々食べますね。
こちらはザリガニを召し上がる様子。子供のころザリガニ捕りが流行ったけど、
日本ではあくまで捕るだけですよね。でも中国では立派な夏の料理らしいです。
それを一気に召し上がるアオサギ。なかなか贅沢な鳥ですな。

中国の人気料理ザリガニを一気に召し上がるアオサギ。贅沢な鳥だ。


ところでサギといえば、春の繁殖期このあたりでは色んなドラマが見られます。
こちらは抱卵中のアオサギさん。雨の中でも必死で卵を守る姿、心を打たれます。
抱卵後の幼鳥達の様子は後編で紹介するのでお楽しみに。

抱卵中と思われるアオサギ、雨の中でも巣を作り直したり大変。皆命を守るのに必死です。

ちなみに野鳥の会などで「親鳥は卵やヒナを守るために神経とがらせており、人間の存在がストレスで
親鳥が抱卵を放棄することがあるので、これらの様子はSNSに投稿せぬよう」注意喚起されてます。

安井はYoutubeにしばしばこの手の動画も載せていますが、撮影時は十分距離をとって、
独りで静かにフラッシュも使わず撮影、また投稿時も「自分の投稿が原因で人がおしかける」
ことにならぬよう、敢えて撮影してから数週間置いて投稿するようにしてます。

そこまでしてもダメだという意見の方もいると思うのですが…それを言いだしては
冬などに三号橋・四号橋にぎっしり並んで撮影している状況だって問題だと思うし、
今のところ自分の投稿以後に人がおしかけるような事態も見てないので…。
まあ単に自分のサイトの人気ないだけなのかもしれませんが(笑)。
いつの日かもう少し自分のサイトの影響力が出てきたら、セーブしないといけないかもですね。

三号橋・四号橋はバードウォッチャー橋

アーチが美しい四号橋と、その前にある三号橋(下記写真)は
毎週末バードウォッチャーで大賑わい。これらは「探鳥橋」に改名した方がよいかも。
いつもバズーカみたいな望遠レンズのカメラを構えたプロっぽい方達が集まっていて、
安井のような民間人(?)は近寄り難い場所となっております(笑)。

バードウォッチャーに大人気の三号橋

皆さん西側(上の写真でいうと左側)にカメラを向けているので、
多分そこに色々と面白い鳥や珍しい鳥が現れるのかと推測しますが、
安井のような素人はカモやカイツブリしか見れません(><)。

先日この付近で、唯一シジュウカラを結構綺麗に撮れたのでシェア。別に珍しい鳥ではないですが。

こんな素敵な光景が、入場料も駐車場代も一切かからず楽しめる勅使池は、豊明市の宝です。
では勅使池のレポート第一回はこの辺で。次回は四号橋付近からレポします。 → 後編